2007年02月24日作成
2007年02月24日更新

ドイツの傑作兵器・駄作兵器、続ドイツの傑作兵器・駄作兵器、連合軍の傑作兵器・駄作兵器、日本陸軍の傑作兵器・駄作兵器

The Special Providence - 書評 - 傑作兵器・駄作兵器シリーズ


ドイツの傑作兵器・駄作兵器 究極の武器徹底研究 広田 厚司 著 光人社NF文庫 刊 ISBN4-7698-2293-6
続・ドイツの傑作兵器・駄作兵器 究極の武器徹底研究 広田 厚司 著 光人社NF文庫 刊 ISBN4-7698-2304-5
連合軍の傑作兵器・駄作兵器 究極の武器徹底研究 広田 厚司 著 光人社NF文庫 刊 ISBN4-7698-2322-3
日本陸軍の傑作兵器・駄作兵器 究極の武器徹底研究 佐山 二郎 著 光人社NF文庫 刊 ISBN4-7698-2393-2

傑作兵器・駄作兵器という光人社NF文庫のシリーズ。といっても、「日本陸軍の傑作兵器・駄作兵器」だけは著者が異なり、読んだ感じも異なっていました。「日本陸軍~」については雑誌「丸」に連載されたものを収録したものだそうです。

傑作兵器・駄作兵器と対照付けてタイトルがつけられているものの、中ではこれは傑作・駄作と分類されているわけではなく、あまり知られていない兵器を項目ごとに取り上げて紹介していくスタイル。とはいえ、大量に生産されて大活躍したよく知られている兵器ではないというほどのもので、カール自走臼砲とかグロスター・ミーティアとか割と有名な兵器も出てきます。なかにはバズーカ砲とか、これは大量に使われているだろうというものも紹介されていますけど。日本陸軍について紹介したものでは、あまり時代を隔絶した新兵器というようなものはないように見受けられ、歩兵の携帯するような簡便な兵器であまり知られていないものや、戦争末期に追い詰められて必死に考えた奇想兵器といったものが中心に紹介されています。これに対して連合軍のものは、構想倒れに終わったり作りはしたがろくに役に立たなかったりしたものも一部に含まれているものの、おおむね堅実なもので実際に戦争に役に立ったものばかりが紹介されています。ドイツになると、これは駄兵器もあるものの時代を超越した超兵器のオンパレードといった感じです。誘導ミサイルなんか朝飯前といった感じで紹介されています。もっとも、役に立ったものはほとんどないのですけれど。信頼性が低すぎ、登場も遅すぎたからですね。各国の性格・技術的なバックグラウンドを示しているようで対比が面白いです。

これらの紹介の中で最も興味を惹いたのは、「連合軍~」の中で紹介されている英独電波兵器対決。レーダーのような探知兵器や電波を利用した航空機の航法装置といったものが紹介されています。コンピュータがまだ使えないこの時代に既に画面上に探知した航空機を表示するタイプのレーダーが存在していたことだけでも驚きなのですが、さらに爆撃機の航法誘導のために電波を使って飛行コースを指定したり、それを察知・解析して妨害電波を流すことでコースを逸らしたりと、電波を使った虚虚実実の駆け引きが行われていたことを知って驚かされます。本当に、デジタルな時代に育った技術者にとっては全く信じがたいレベルのことを当時のアナログ技術でこなしていたものです。

苦言を呈すべきなのは、広田氏の書いた分については日本語が稚拙で、接続詞や助詞の使い方がおかしく読みづらいところが多々あります。商業的に出版するものなのに誰もチェックを入れなかったのかと思います。また、列車砲の紹介をしているところで、ドイツの鉄道の標準的な軌間が1.67メートル、ロシアのそれが1.34メートルなどと紹介していますが噴飯物の間違いで、ドイツは1.44メートル、ロシアは1.52メートルです。広い狭いが逆になっていて数値も滅茶苦茶です。こういう基本的なところでミスをしていると他の全てについて大丈夫なのか疑問を招くところで、実際この人は本当に技術的なことについて分かっているのだろうかと疑わせるような文章も散見されるところです。面白い本なのに残念なところです。

傑作兵器・駄作兵器シリーズ - 書評 - The Special Providence

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