2006年10月22日作成
2006年10月22日更新
The Special Providence - 書評 - 護衛空母入門
第2次世界大戦で大活躍した艦種「護衛空母」に焦点を当てて書かれた本です。護衛空母は最初から空母として建造される正規空母とは異なり、主に商船をベースとして空母に改造された艦艇で、日米英の3カ国で登場してそれぞれに活躍します。米英においては、ドイツのUボート攻撃で激増した輸送船の被害を抑えるために、艦隊に航空機のカバーを与えるために急遽建造したもので、後期のカサブランカ級護衛空母のように商船の設計と構造をベースとしながらも改造ではなく当初から護衛空母として建造されるものも現れて、大量建造されてUボートの被害を抑え込み、さらに攻撃的な任務にまで運用されて大活躍します。これに対して日本でも商船を改造した空母が登場するのですが、米英の建造した数に比べるとさすがに少数で、しかも大型機を発艦しうるカタパルトが装備されていなかった(開発されていなかった)ためにあまり活躍できずに終わります。もっとも航空機輸送艦としては大活躍しているのですが。
イギリスでは、フランスの基地を出撃してくるドイツの長距離哨戒機Fw200コンドルの被害が大きかったため、商船にカタパルトを装備して戦闘機を少数だけ搭載し、とりあえず発艦させて戦闘した後はパラシュートでパイロットが脱出して回収、戦闘機は使い捨て、というようなとにかく間に合わせ的なものもあって、CAMシップとかMACシップとか複数のタイプが登場しています。これらの船に対しても解説がされています。さらに日本陸軍が運用していた強襲揚陸艦的な船でも固定翼航空機の運用がされていたことに触れていて、正規空母以外の航空機運用可能な艦は大体サポートしているようです。
護衛空母がいかにUボート対策や航空攻撃対策に効果があったのかも、グラフなどの資料を添えて解説しています。実際のところ護衛空母部隊で構成されたハンターキラーチームが直接挙げたUボートの戦果はそれほど多くはないのですが、被害の減少には大きな関与があるようです。また艦型図も揃っていて資料性も十分です。
正規空母は華々しく活躍してよく紹介されているのですが、脇役ながら確実な活躍を見せて連合国の戦勝を支えた存在を紹介した良書。
護衛空母入門 - 書評 - The Special Providence
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